合格への近道 (基本情報技術者試験)
基本情報技術者試験とは?
情報処理技術者試験は、数あるIT資格の中で、「国家資格」となります。試験の運用は、「独立行政法人IPA」が行っています。 現在、「13試験区分」があります。その1つである「基本情報技術者試験(FE)」は、「ITエンジニアの登竜門」の資格と言えます。
目次
項目 | 詳細 |
---|---|
合格 | 合格を目指して |
合格率 | 気になる合格率は… |
試験概要 | 試験を知る |
午前 | 午前試験を知る |
午後 | 午後試験を知る |
合格する | 合格への近道 「午前インプット学習」「午前アウトプット学習」「午後問1~問7対策」「問8アルゴリズム対策」「Java対策」 |
一言 | 最後に |
お問合せ | ご意見・ご質問は、「質問フォーム」「掲示板」をご利用ください。 |
合格を目指して
ここでは、これから、「基本情報技術者試験(FE)」を受験する方のための「合格への近道」について私なりの見解を記載させて頂きます。そもそも、「基本情報技術者試験」とは、「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者の国家試験です」。
以前は、「第二種」という呼び名でした。毎回(4月・10月の第3日曜日)に実施され、約6万~7万人前後の応募者がいます。 合格率は、25%前後となっています。受験者の皆さんは、色々な方がいるかと思いますが、基本情報技術者に合格するためには、特にプログラミングのスキルはなくても合格は出来ます。試験そのものをよく理解して、それに沿った学習をすることにより、合格することができます。ただ、普段、「パソコンを実務で使用されている方」「IT業界でのお仕事をされている方」は、合格への近道は、より早くなるものと思います。
気になる合格率は…
実施時期 | 応募者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
平成28年秋期 | 75,095 | 55,815 | 13,173 | 23.6 |
平成28年春期 | 61,281 | 44,184 | 13,418 | 30.4 |
平成27年秋期 | 73,221 | 54,347 | 13,935 | 25.6 |
平成27年春期 | 65,570 | 46,874 | 12,174 | 26.0 |
平成26年秋期 | 74,577 | 54,874 | 12,950 | 23.6 |
平成26年春期 | 65,141 | 46,005 | 11,003 | 23.9 |
午前のみの合格率「50.36%」、午後のみの合格率「29.76%」
試験を知る
試験は、午前と午後に分かれます。どちらも「マークシート」による筆記試験となります。午前・午後共に100点満点です。
-- | 午前 | 午後 |
試験時間 | 9:30~12:00(150分) | 13:00~15:30(150分) |
---|---|---|
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題数 | 80問 | 13問 |
解答数 | 80問 | 7問 |
合否 | 午前60点以上 かつ 午後60点以上で合格 |
午前試験を知る
問題番号 | 分野 | 出題数 | 配点 |
1~50 | テクノロジ系 | 50 | 1.25点 |
51~60 | マネジメント系 | 10 | 1.25点 |
61~80 | ストラテジ系 | 20 | 1.25点 |
「分野」に聞きなれない言葉で出てきました。「テクノロジ系」とは「ITの技術的内容」、「マネジメント系」とは「プロジェクト管理やシステム運用管理」、「ストラテジ系」とは、「企業の経営・会計・法務・経営工学などに関する内容」です。また、配点は、問題の難易度に関わらず「すべて1問あたり1.25点」となります。 |
午前出題の詳細
午前の分類ごとの出題数予想です。
分野 | 分類 | 出題数予想 |
テクノロジ系 | 情報の基礎理論・アルゴリズム | 8 |
---|---|---|
コンピュータシステム | 16 | |
データベース | 5 | |
ネットワーク | 6 | |
セキュリティ | 10 | |
システム開発技術 | 5 | |
マネジメント系 | プロジェクトマネジメント | 4 |
サービスマネジメント | 4 | |
システム監査 | 2 | |
ストラテジ系 | 経営戦略・システム戦略・情報システムの種類 | 15 |
企業会計 | 2 | |
OR・IE | 1 | |
法務 | 2 |
上記の通り、午前の出題の詳細は、各分類より満遍なく出題されます。
出題パターンとしては、
■ 知識を問う問題…60問
■ 計算問題…15問
■ 考える問題…5問
の3つのパターンに分類されます。
基礎的知識の理解と計算問題についての「出題パターン」を理解しましよう。
出題パターン | テクノロジ系 | マネジメント系 | ストラテジ系 | 合計 |
---|---|---|---|---|
知識を問う問題 | 37 | 7 | 16 | 60 |
計算問題 | 8 | 3 | 4 | 15 |
考える問題 | 5 | 0 | 0 | 5 |
合計 | 50 | 10 | 20 | 80 |
合格ラインは、60点ですから、80問中「48問正解」すれば良いということになります。 また、時間配分は、「1問あたり約1分50秒」ほどとなります。これはマークシートへの記述も含まれます。
午後試験を知る
問題番号 | 分野 | 配点 |
1 | 情報セキュリティ ※必須問題 | 12点 |
---|---|---|
2 | ハードウェア OR ソフトウェア | 12点 |
3 | データベース | 12点 |
4 | ネットワーク | 12点 |
5 | ソフトウェア設計 | 12点 |
6 | マネジメント系の問題 | 12点 |
7 | ストラテジ系の問題 | 12点 |
※上記の問題番号「2~7」より4問選択 | ||
8 | アルゴリズム ※必須問題 | 20点 |
9~13 | ソフトウェア開発 「C言語」「COBOL」「Java」「アセンブラ」「表計算」より1問選択 |
20点 |
午後の出題の詳細
午後は、問1の「情報セキュリティ」、問8の「アルゴリズム」は必須問題です。また、ソフトウェア開発として、問9~問13の各言語の中から1問選択するようになっています。問2~問7では、6問中より4問を選択して解答します。テクノロジ系を中心にして選択するのであれば、問2・問3・問4・問5を選択する形となります。
問1~問7は、午前の知識が前提となって解答できるものと思います。やはり、午前の基礎的知識が重要です。
しかし、問8の「アルゴリズム」、問9~問13の「ソフトウェア開発」はそうはいきません。この2つの分野は、それなりのスキルがないと正解を勝ち取ることは出来ません。
■ 「アルゴリズム」は、「論理的思考でのアプローチによる処理の組み立て能力」と表記方法である「擬似言語」の習得が必要です。
■ 「ソフトウェア開発」では、選択する「言語」の「文法スキル」は必須です。また、「アルゴリズム能力」も必要となります。
■ 2つの問題の共通点として、問題の仕様を理解する「読解力」が必須です。
上記の2つ問題についてが一番、時間のかかる履修内容です。このハードルをどう越えるかが合否のポイントといえます。
時間配分として「問1~問7の5問」は「1問あたり約15分」で「15分×5問=1時間15分」、「問8は35分」「問9~問13の1問は35分」で合計「2時間25分」として「5分は見直し」となります。
合格への近道
合格するためには、やはり、「学習・対策・過去問題演習」が必要です。普段、ITの開発現場でプログラマーとして働いている方でも対策は必要かと思います。以下、私なりの合格への近道を記載させて頂きます。皆さんのご参考となれば幸いです。
まったくの初心者の方を対象として、標準的な学習時間は「1日約2時間」で「120日(4か月)」を想定しております。
午前インプット学習
使用教材 |
Web学習室 1-1. 午前 問1~問80 対策(インプット学習) |
---|---|
内容 | 午前の知識を習得します。上記を利用して、まず、じっくりと読んで下さい。色々な用語が出てきても、焦らす、じっくりと構えて、理解、暗記を繰り返します。「毎日、2時間」で順次把握して下さい。 |
標準学習時間 | 1日2時間で20日間 |
午前アウトプット学習
使用教材 |
Web学習室 1-2. 午前 過去問題演習(アウトプット学習) + 書籍 かんたん合格 基本情報技術者教科書 平成28年度(2016年度) |
---|---|
内容 | インプット学習した内容の午前実践演習です。ポイント整理を把握して実際に問題を解いて下さい。また解説は必ず熟読して下さい。ここまでで、午前の力は、本番の試験で、80%ぐらいはついているものと思います。また、午後の問1~問7の基礎スキルもここで培われます。 |
標準学習時間 | 1日2時間で15日間 |
午後(問1~問7)対策
使用教材 |
Web学習室 2-1. 午後 問1~問7 分野別のポイント 2-2. 午後 問1~問7 基礎的過去問題解説 2-3. 午後 問1~問7 過去問題演習 |
---|---|
内容 | 午後の問1~問7の問題は、午前の知識が前提となって出題されます。最初は戸惑いもあるかと思いますが、実際に解いていくうちにコツが掴めていくはずです。目標は、「1問当たり、15分ぐらい」を目安として下さい。「1日2時間の学習で、20日を目安」として下さい。問題を解くのに15分+採点解説を読むのに20分として、1日3題ぐらいを学習して下さい。ここでの学習が終了する頃には、問題文の把握に関してもかなりの力が付いているものと思われます。とくかく如何に多くの問題を解くかがポイントです。正解・不正解に関わらず解説をよく読んでより一層の把握に努めてください。 |
標準学習時間 | 1日2時間で15日間 |
午後(アルゴリズム)対策
使用教材 |
pafuイーランスクール アルゴリズム制作基礎コース(e-ラーニング) Web学習室 3-1. アルゴリズム表記「疑似言語文法」のポイント学習 3-2. アルゴリズム 基礎的過去問題解説 3-3. アルゴリズム 過去問題演習 |
---|---|
内容 |
アルゴリズムの論理的思考能力の構築には、以下の内容が必須です。 ■ 構造化プログラミングとは何か? ■ 変数と代入文 ■ 順次構造のアルゴリズム ■ 演算子とは? ■ 判断構造のアルゴリズム ■ 反復構造のアルゴリズム ■ 構造チャートをマスターしよう! ■ 配列(1次元配列) ■ 多次元配列 ■ 基本アルゴリズム演習(検索・並び替え等) 上記の「アルゴリズム制作基礎コース(e-ラーニング)」でアルゴリズムの論理的思考能力を身につけてください。その上で、Web学習室で、「擬似言語文法」「過去問題演習」を通して、実践的スキルを身につけ、正解を勝ち取る力がつくものと思います。過去問題は、「1問あたり35分」を目安としてください。 |
標準学習時間 | 1日2時間で20日間 |
午後(Java)対策
使用教材 |
pafuイーランスクール 【書籍】 Java総合(セット販売) Java総合セット講座(e-ラーニング) ※2016年12月末開校 Web学習室 4-2. Java 基礎的過去問題解説 4-3. Java 過去問題演習 |
---|---|
内容 |
一番の難関であるソフトウェア開発の対策です。 私は、Javaの選択をお勧めします。 ITの実務の現場で一番使用されている言語です。上記のアルゴリズムでプログラミングのコアの部分について把握できている訳ですから、その知識を実際の言語に、あてはめていけば良いのです。プログラミングの経験のない方は、ここが最大の試練かと思います。上記は、初心者にとって非常に分り易く解説しております。各章ごとに確認問題を用意してあります。テキストは、690頁ほどです。「1日2時間で10頁~15頁を目安」にして下さい」。また、「Web学習室」より、「過去問題」を実際に解いてたくざい。過去問題は、「1問あたり35分を目安」としてください。 プログラミングは、「習うより慣れろ!」です。必ず出来ます。頑張ってください。 |
標準学習時間 | 1日2時間で50日間 |
最後に
数あるIT資格の中で、基本情報技術者試験は、非常に権威ある国家資格であると思います。IT系の専門学校や情報系の学部・学科の大学でも受験を推奨しております。つまり、「IT業界で働く」あるいは「現在働いている」方々には、「絶対に取得してほしい資格」です。履修内容が非常に良くできていますし、実務にも、きっと役立つものと思います。そのためにも、是非、言語は、「オブジェクト指向」を備えた「Java」での受験をお勧めします。Javaは、サーブレットのWebアプリケーションだけでなく、Androidアプリ、組み込み系システムと幅広くシェアを伸ばし、現在、Javaエンジニアは、非常にニーズが高いのが現状です。
皆様の合格を心より、願っております。By pafu
ご意見・ご質問は、「質問フォーム」をご利用ください。
Web学習室TOPへ戻る