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プロジェクトマネジメント(マネジメント系)

学習のポイント

システム開発におけるプロジェクト管理の重要性の理解が必要です。PDCAサイクルやプロジェクト管理の世界的な標準である「PMBOK」の9つのエリアの理解、WBS・アローダイアグラム(PERT)・ガントチャートの把握が必要です。また、コスト管理では、ソフトウェアの各種の見積り技法を理解し、リスク管理の概要を理解しましょう。

1. マネジメントの必要性
現在のコンピュータシステムの開発では、一人が行う場合もありますが、多くは、複数のエンジニアによって「プロジェクト制」で行います。そのため、「人」「作業項目」「予算管理」などを調整する必要があります。
システムの開発
プロジェクトマネジメントが必要
システムの運用・保守
ITサービスマネジメントが必要

PDCAサイクル
システム開発では、進捗管理や品質管理において、PDCAサイクルを使用します。
これは、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」の4段階を繰り返し、業務プロセスを継続的に管理していく手法です。
2. PMBOK(ピンボック)とは?
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたものです。現在ではプロジェクトマネジメントの世界標準(事実上の標準)として世界各国に浸透しています。

PMBOKの知識体系では、9つの領域より構成されています。
知識エリア 詳細
統合マネジメント プロジェクト全体の整合性を図る
スコープ管理 作業範囲(スコープ)定義と変更
タイムスケジュール管理 納期を厳守し、日程の計画と実績の管理
コスト管理 コストの見積もりと実際にかかったコストの管理
品質管理 品質基準の策定と品質を満たすための管理
コミュニケーション管理 情報共有とコミュニケーションの円滑化を図る
組織管理 組織の体制を明確化し、効率的な運営を図る
リスク管理 プロジェクトの中で発生するリスクょ分析、影響のないように管理する
調達管理 必要な経営資源(人・モノ・金)を調達し、各種契約を管理する
※スコープ・タイムスケジュール・コスト・リスクから出題されています。
3. WBS
WBS( Work Breakdown Structure)とは、 「スコープ管理」で使用される図で、作業をトップダウンで分割して、「階層構造」となる図です。
最下層の作業が実際の管理単位で「ワークパッケージ」といいます。
4. アローダイアグラム
アローダイアグラムは、OR(オペレーティングリサーチ)の一種で、PERT(Program Evaluation and Review Technique)ともいい、「タイムスケジュール管理」で使用されるもので、プロジェクトの日程を管理します。
最早結合点時刻
ある結合点から最も早く開始できる時刻です。複数の作業がある場合は「最も大きな値」を選びます。通常上段に記入。
最遅結合点時刻
これは後退計算と言い、PERT図の完了から差し引いていきます。この時複数の作業がある場合は「最も小さな値」を選びます。通常下段に記入。

クリティカルパス(最長経路)
これは、すへての経路の日数を求めて、その最大値の経路がクリティカルパスです。また、上記のように、結合点時刻が表示されている場合は、以下のようにします。

■ 最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しい結合点を探す。
■ 上記で、根元の結合点時刻+所要時間=頭側の結合点時刻を確認する。
■ 上記を満たしている作業は、クリティカルパス上の作業と断定してよい。

この場合のクリティカルパスは、
A → D → F → H → I となります。
5. ガントチャート
ガントチャートは、「タイムスケジュール管理」で使用されるもので、作業別の開始日と終了日を「計画」「実績」を棒の長さで表現します。これにより、ある時点における計画と実績が一目で把握できます。
6. コスト管理
システム開発では、開発前の計画の段階で、予算の見積りが必要となります。従って、ソフトウェアの「見積り技法」が非常に重要となります。主な見積り技法は以下の通りです。

ファンクションポイント法
ソフトウェアの規模を「ソフトウェアが実現する機能の数と複雑さ」の面から見積もる技法です。以下の手順です。
ソフトウエアの機能の洗い出し
データ機能 内部論理ファイル 開発するソフトウェアが管理するファイル
外部インターフエイスファイル 開発するソフトウェアが参照するファイル
トランザクション機能 外部入力 内部論理ファイルを更新するためのデータ入力機能
外部出力 外部へのデータ出力機能
外部照会 入力と出力が一体となったデータ処理機能
機能の複雑さを評価する
上記で洗い出した機能の複雑さを低・中・高の3段階で評価する。
補正前のファンクションポイント数を算出する
ファンクションポイントを合計して補正前のファンクションポイント数を算出する。
ファンクションポイント数を補正する
ソフトウェアに与える影響度をもとに、ファンクションポイント数を補正する。
工数を算出する
上記より、工数を算出する。
特徴としては、以下の通りです。
ユーザの理解が得られやすい
プログラム言語に依存しない

COCOMO
開発規模が、分かったいることを前提に工数と工期を見積もります。ベームが提唱した方法で、例えば、プログラムステップ数などを開発規模を基に、開発工数・開発時間を算出します。
累推見積り法
過去の類似システムより開発規模を見積もること。
標準タスク法(ボトムアップ見積法)
標準タスク法とは、WBSに基づき、全体を細かな作業工程に分解し、それぞれの標準作業量を足して、全体の工数を推定していく方式です。
7. 開発工数
開発工数とは、工数の基準を「人日」「人月」という単位を使用し、工数を管理します。 人日とは、1人の要員が1日で行うことのできる作業量で、人月とは、1人の人間で1か月(通常は20日間)で行うことのできる作業量ということになります。例えば、100人月の場合は、1人で作業した場合、100日間かかり、5人で作業した場合は、100÷5人で、20日間となります。
8. リスク管理
開発中は、さまざまな予測不可能な事態が発生します。天災・人災など被害の大きいものから小さいものがあります。 これらの被害を最小限にするためにリスクに備えた体側が必要となります。 リスト管理は、以下の手順で行います。
(1) リスクマネジメント計画
リスク管理の方法・予算・時期などを計画します。
(2) リスク識別
想定されるリスクを洗い出します。「デルファイ法」「ブレーンストーミング」などを使用します。
●デルファイ法
専門家に繰り返しアンケートを行うことにより,未知の問題に対し確度の高い見通しを得る方法。
●ブレーンストーミング
グループのメンバーが、ある問題について自由にアイディアを出し合う。
(3) リスク分析
識別したリスクの影響度や発生確率を分析し、対応の優先順位を決めます。
(4) リスク対応
リスクに対してどのように対応するか決めます。対応には以下の4種類があります。

●リスク回避…リスクを発生させないようにする
●リスク転嫁…保険やアウトソーシングなどでリスクの対応責任を第三者へ移す
●リスク低減…リスク発生を低減させる対応をとる
●リスク保有…リスク発生を受け入れる。発生時の計画を策定する

(5) リスク監視・コントロール
リスク対応の実施を追跡調査して、その効果を評価します。
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