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LANとWAN(ネットワーク)
学習のポイント
有線LANや無線LANの種類やアクセス制御、ネットワーク接続装置、WANの種類や特徴について理解しましょう。
1. LANの種類 |
LANとは、オフィス内の限定されたエリア内で構築されたネットワークを言います。同軸ケーブル・ツイストペアケーブル・光ファイバーを利用した「有線LAN」と、周波数「2.4GHz」「5GHz」の電波を利用した「無線LAN」の2種類があります。
●有線LANの種類
種類 |
詳細 |
イーサネット |
Xerox社が主導で開発したLAN規格で、IEEEでは「IEEE802.3」として標準化しています。現在のLANの事実上の標準(デファクトスタンダード)です。イーサネットにはいくつかの規格があります。※後述 |
トークンリング |
IBM社が主導で開発した「トークンパッシング方式」の「リング型」のLAN規格です。ケーブルは、同軸ケーブルゆツイストペアケーブルを使用します。伝送速度は「4mbps」か「16Mbps」です。 |
FDDI |
光ファイバケーブルを利用した100Mビット/秒の伝送速度をもつLANの規格。基幹LANとして使用されていました。「2重リング型トポロジ」で、「トークンパッシング方式」で制御します。 |
●無線LANの種類
無線LANには親機と子機があります。親機は無線LANの電波を発信する機械で「無線LANルーター」や「無線LANアクセスポイント(AP)」と呼ばれています。無線LANルーターが発する電波をパソコンやスマートフォン、ゲーム機などの子機がキャッチして通信を行っています。APの有無で以下の2種類に分類できます。
1. インフラストラクチャモード
ネットワークの中心に「無線LANアクセスポイント(AP)」が設置さけていて、無線LANアクセスポイントは、有線のネットワークへ橋渡しをする他にゲートウェイとしても機能します。
2. アドホックモード
アドホック通信のネットワーク (ピアツーピアネットワークともいう) では、無線LANアクセスポイントが存在しません。 子機(端末)同士が直接通信するモードです。最近では携帯用ゲーム機同士での通信にも使用されています。
無線LANには、いくつかの規格があります。※後述
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2. イーサネットの規格 |
LAN |
ケーブル |
トポ
ロジ |
伝送
速度 |
最大長 |
接続方式 |
10BASE5 |
太い同軸ケーブル |
バス型 |
10Mbps |
500m |
トランシーバ(AUIコネクタ) |
10BASE2 |
細い同軸ケーブル |
バス型 |
10Mbps |
185m |
T型コネクタ(BNCコネクタ) |
10BASE-T |
ツイストペアケーブル
(より対線) |
スター型 |
10Mbps |
100m |
モジュラコネクタ |
100BASE-TX |
スター型 |
100Mbps |
100BASE-FX |
光ファイバーケーブル |
スター型 |
100Mbps |
100km |
光コネクタ |
1000BASE-SX |
光ファイバーケーブル |
スター型 |
1Gbps |
550m |
光コネクタ |
1000BASE-LX |
光ファイバーケーブル |
スター型 |
1Gbps |
5000m |
光コネクタ |
1000BASE-CX |
同軸ケーブル |
スター型 |
1Gbps |
25m |
T型コネクタ |
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3. 無線LANの規格 |
IEEE802.11規格
規格名 |
周波数帯 |
最大伝送速度 |
IEEE802.11 |
2.4GHz |
2Mbps |
IEEE802.11a |
5GHz |
54Mbps |
IEEE802.11b |
2.4GHz |
11Mbps |
IEEE802.11g |
2.4GHz |
54Mbps |
IEEE802.11n |
2.4/5GHz |
65~600Mbps |
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4. LANのアクセス制御方法 |
アクセス制御とは、伝送路の使用で、競合のトラブルなく利用するための制御のことをいいます。以下の種類があります。
CSMA/CD |
各端末は伝送路上にデータが流れていなければ自由に送信を開始出来ます。複数の端末が同時に送信を開始した場合は衝突(コリジョン)が発生します。この場合、ランダム時間後、再送を試みます。
伝送路が空いているか確認(キャリア検知という) → 空いていれば送信開始 → 衝突を検知したら → 送信見合わせ |
イーサネットで使用 |
トークンバッシング |
主に「リング型」のLANで使用され、「トークン」と呼ばれる制御信号が常に巡回しており、これを取得した(フリートークン)ノードのみが送信する権利を得る。この方式では衝突は起こりません。 |
トークンリング・FDDIで使用 |
CSMA/CA |
CSMAは、CSMA/CDと同様に、通信開始前に伝送媒体上(無線LANでは電波)に、現在通信をしているホストがいないかどうかを確認するという「キャリア検知」、複数のホストが同じ伝送媒体を共有して現在他のホストが通信していない場合は、通信を開始するというCSMAです。そして、キャリア検知により通信できる状態分かっても CSMA/CA の場合はさらにランダムな時間だけ待機してからデータを送信します。
|
無線LANで使用 |
TDMA |
1つの無線機器を複数のユーザで時間的に分割して使用する方法です。一定の時間周期で多数のタイムスロットと呼ばれる単位に分割しますが、複数のユーザがそれぞれ異なるタイムスロットを使用するため、通信チャネルを有効に活用できます。この方式は、デジタル方式の携帯・自動車電話や移動衛星通信の分野で広く使用されています。 |
携帯などで使用 |
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5. ネットワーク接続装置 |
接続装置 |
内容 |
OSI |
リピータ |
ネットワークにおいて、ケーブル上を流れる信号の再生および中継を行う機器。 |
物理層 |
リピータハブ |
「リピータハブ」とは、1つのホストから受信したデータをそのまま他の端末すべてに送信するハブ。
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物理層 |
スイッチングハブ |
「スイッチングハブ」とは、データの宛先(MACアドレス)を識別して特定のポートにだけデータを流す。 |
データリンク層 |
ブリッジ |
送信元と送信先のアドレスからデータを相手のセグメントに流すかどうか判断するフィルタリング機能を持つ。
データの振り分け。異なるアクラス制御方式のLANを接続。 |
データリンク層 |
ルータ |
相手先アドレスから指定されたセグメントにしかデータを流さない経路選択(ルーティング)機能を持つ。
WANを介したLAN同士の接続。経路選択、中継。
●ルーティングテーブル
「スタティックルーティング」
各ルータのテーブル内容を最初から管理者が手動で決定しておく。
「ダイナミックルーティング」
各ルータが周囲のルータと情報交換しながらあるアルゴリズムに従ってテーブルの内容を最適なものに更新していく。 |
ネットワーク層 |
ゲートウェイ |
プロトコルが異なる二者間やネットワーク間の通信を中継する機器やソフトウェアです。
アプリケーション層までのプロトコルを変換します。 |
すべての層 |
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6. WAN |
「WAN」とは、「広域通信網」とも言い、物理的に離れた場所にあるLAN間同士を接続したネットワークのことをいいます。原則、「電気通信事業者の回線」を利用します。以下の種類があります。
回線 |
交換方式 |
内容 |
専用回線 |
-- |
通信相手との間に専用の回線を用意して通信する。料金は毎月一定。高速、安定性が高い。設置/運用コストが高い。 |
交換回線 |
回線交換 |
アナログ回線・デジタル回線を使用して要求が発生すると通信路を設定する。料金は接続時間、距離、回数によって課金される。
・1本の伝送路を確保してから通信。
・通信中は、回線は固定。
・双方の通信速度は同じてなければならない。
・伝送遅延は少ない。 |
蓄積交換 |
データを分割しない「メッセージ交換」と「パケット交換」がある。パケット交換は、一定長のハケット単位に分割して送信する。料金はパケット数で課金される。
・蓄積と交換を繰り返してデータを届ける。
・送信側/受信側で通信速度が異なっても良い。
・伝送遅延が発生する。
・「PDA機能」パケットの分割・組み立て。 |
●電気通信事業
2004年4月に電気通信事業法が改定されました。
(新制度)
改定のポイント
●第一種、第二種の廃止(電気通信回線設備の所有有無の廃止)
●許可制を廃止し、登録制・届出制へ変更
・届出電気通信事業者
電気通信設備を設置せず、端末の伝送路設備が1つの市町村内であること。
・登録電気通信事業者
上記の要件を超える回線設備を設置している事業者。
●高速交換網
フレームリレー |
パケット交換を高速したサービス。データをフレームに分けて送信し、高速化を図っている。パケット交換(X.25)の誤り制御を簡略化して高速にしたもの。 |
ATM |
パケット交換に似たサービスで光ファイバを利用した高速通信で、音声や動画像のデータを送信できる。データを「53バイト」のセルで交換。別名、「セルリレー」。伝送速度は、数Mから数Gビット/秒。 |
xDSL |
既存の電話回線網を使用して電話では用いてなかった高帯域を利用して高速データ伝送を行う技術の総称。上りと下りの通信速度が等しい「SDSL(160Kから2.0M)」と非対象の「ADSL」があります。 |
FTTC/FTTH |
光ファイバを使用して最大1Gビット/秒の伝送速度を実現する技術。「FTTC」は基幹バックボーンを光ファイバで構成すること。「FTTH」は交換局から家庭へと光ファイバを敷設すること。現在、FTTCはほぼ完了しています。 |
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7. 近年主流のWAN |
VPN |
インターネットなどで拠点間を専用線のように接続して、のぞき見や改ざんなどの不正アクセスを防ぎ、安全な通信を可能にする技術がVPNです。
VPNは2種類のサービスがあります。
インターネットのアクセス回線を利用するVPN接続は、「インターネットVPN」といい。一般的なインターネットのアクセス回線とは隔離された、通信事業者が独自に保有する閉じたネットワーク(閉域網)を利用するVPN接続は、「IP-VPN」と呼ばれます。
VPNは、インターネットや閉域網を使うことにより、コストはISPの利用料金やアクセス回線費用だけで済む上、距離に依存しません。 「コスト削減」と「1対多の接続が容易であること」がVPNの最大のメリットとなります。特に、国内での長距離通信や国際通信に専用線を利用している企業などは、インターネットや閉域網を利用したVPNに置き換えることでコスト削減が可能となっています。
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広域イーサネット |
広域イーサネットとは、利用者のイーサネットフレームを透過的に転送し遠隔地の拠点を接続するサービスです。広域イーサネットを利用して離れた拠点を接続すると、まるで1つのLANであるかのようなネットワーク構成にすることが可能です。1つの網で複数の利用者がイーサネットフレームを転送させるために、利用者のイーサネットフレームを分離する必要があります。利用者のイーサネットフレームを分離するために「VLAN(Virtual LAN)」を利用します。また、様々な通信プロトコルを「ネットワーク層」で利用することができます。
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※VAN
「付加価値通信網」のことで、通信回線を使用してコンピュータによる付加価値をつけたサービスを提供するネットワークのことをいいます。
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