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ネットワークの仕組み(ネットワーク)

学習のポイント

コンピュータネットワークの種類、通信プロトコル、回線交換とパケット交換の違い、伝送速度「bps」と回線利用率、ネットワークの利用形態、データ伝送システム、同期制御、誤り制御、伝送制御、OSI基本参照モデルについて理解しましょう。

1. コンピュータネットワークとは?
通信ネットワーク」とは、複数の拠点を通信回線で相互接続したものです。この中で、複数のコンピュータを相互接続したものを「コンピュータネットワーク」と言います。ここでは、これについて学習します。
●ネットワークの形態
ネットワークの相互接続形態を「トポロジ」と言います。以下の種類があります。
スター型 中心に制御装置(HUBなど)を置き、そこへ集中して接続する形態。
バス型 1本の伝送路にぶら下がるように接続し、両端に「ターミネータ(終端装置)」を付けます。
リング型 各装置を数珠つなぎにして伝送路を循環する形態。
上記が基本トポロジです。また、これらの発展型として以下のものがあります。
ツリー型 バス型、スター型の発展で、ハブなどを使用して伝送路を枝分かれさせていく形態。
メッシュ(網)型 各装置が複数の装置と相互に接続され、網目のような形態となります。公衆電話網やISDNなどはこの形式です。

通信回線
通信回線は、「データが流れる媒体」です。「有線」「無線」に大別できます。
有線
利点としては、ノイズが強いため、品質のよいデータ伝送が可能です。以下の種類があります。
同軸ケープル
導体の線が芯にあり、その周囲が絶縁体で覆われそらにその外側がメッシュ状になったケーブル。ノイズに強いが、ケーブルが太くなりがちです。
ツイストペアケーブル(より対線)
2本のメタリックケーブルをより合わせて作られたケーブル。欠点として伝送距離をあまり長くできない。
光ファイバケーブル
非常に高速で大容量の媒体。雑音に強く、低損失のため、長距離の伝送が可能です。
無線
無線では、「電波」「赤外線」を使用します。ノイズの影響を受けやすい。また、盗聴の可能性もあります。
電波
周波数は、「2.4GHz」または「5GHz」を使用します。周波数が高いほど情報量は大きくなります。
赤外線
規格に「IrDA」があり、障害物があると伝送が行えません。
論理ネットワーク
物理的なネットワークを論理的にとらえたものです。以下のものがあります。
ノード」ホストコンピュータ、通信制御装置、端末など。
リンク」伝送路のこと。
2. コンピュータネットワークの種類
種類 詳細
PAN 個人が利用する複数のデジタル機器を接続し、相互にデータを送受信できるようにしたものがPANです。
LAN 同一建物内や敷地内などで自由に構築することができるネットワークがLANです。
WAN 離れた場所にあるLAN同士を接続したものがWANです。敷地を越える範囲を接続する場合に、「通信事業者」に使用料金を支払って利用するネットワークです。但し、インターネットを使用した「インターネットVPN」「広域イーサネット」では無料となります。
インターネット 世界規模のネットワークを相互に接続したWANがインターネットです。
3. 通信プロトコルとは?
通信プロトコルとは、ネットワーク上で「データをやり取りするための取決め」ことです。 例えば、英語しか話せない人に日本語でお願い事をしても、日本語がわからないという理由で、願いは聞き入れられることができません。これと同様に、二つのコンピュータが通信を行う場合にも、互いが意思疎通できるような仕組みを持っている必要があります。
現在、主流のプロトコルは、2つあります。
イーサネット…LANのプロトコル
TCP/IP…インターネットのプロトコル
4. 回線交換とパケット交換の違い
コンピュータネットワークで「データ伝送の方法」として以下の2種類があります。
回線交換奉方式…1つの通信回線を1組のユーザーが専有する方式で、電話が該当します。100組のユーザーが通信するためには、100本の回線が必要となります。
パケット交換方式…送信データを細かく分割して通信回線を専有することなく、細切れに送信します。分割したデータを「パケット」といいます。受信側は、分割したデータを組み立てる必要があります。1本の通信回線でも複数のユーザーが送受信することができます。インターネットをはじめ、現在のコンピュータネットワークはこの方式を使用しています。
5. 伝送速度「bps」と回線利用率
●伝送速度
単位時間あたりに伝送できるデータ量です。単位は「bps」を使用します。bpsは「1秒間に伝送できるビット数」です。例えば、100Mbpsとは、1秒間に100Mビットで100M÷8バイトとなります。
●回線利用率
ネットワークでは、常に100%の伝送速度を発揮することはできせん。能力の何パーセントかを示したものが「回線利用率」です。例えば、100Mbpsで、回線利用率が「80%」の場合は、100×0.8で、実際の伝送速度は、80Mbpsとなります。
過去問題
1.5M ビット/秒の伝送路を用いて 12M バイトのデータを転送するのに必要な伝送時間は何秒か。 ここで,伝送路の伝送効率を 50% とする。
(解答)
1バイトは8ビットですから、12Mバイトのデータを 1.5Mビット/秒の伝送路を用いて送ると
 (12M×8)ビット÷1.5M = 64秒
 ただし、回線利用率が 50% なので、64×2=128 秒です。
6. ネットワークの利用形態
●コンピュータの役割
コンピュータネットワークの種類に関わらず、コンピュータには、2つの役割があります。
1. サーバ
サーバは、クライアントへ「サービス」を提供するコンピュータです。
サーバの種類として
・Webサーバ
・メールサーバ
・データベースサーバ
・・・
などがあります。
2. クライアント
クライアントは、サーバから「サービス」を受けるコンピュータです。私たちにインターネツトでホームページの閲覧にはWebサーバ、メールの送受信にはメールサーバのサービスを受けているということです。
●ネットワークの形態
上記のコンピュータの2つの役割という観点からネットワークの形態が2つに分かれます。
1. ピアツーピア型
サーバ・クライアントの区別がなく、すべてのコンピュータが対等という形態です。Windowsでは、「ワークグループ」といっています。
2. クライアント/サーバ型
サーバとクライアントの役割が明確になっている形態です。
6. データ伝送システムを理解しょう
データ伝送システム」には、以下の3種類から構成されています。
1. DTE…実際に通信を行うデータ端末装置。ホストコンピュータやパソコン等。
2. DCE…電気通信事業者のネットワークに接続するために必要な装置。アナログ網に接続するために「モデム」、デジタル網に接続するために「DSU」を利用します。
3. CCU…通信制御装置と呼ばれます。データ伝送の際のエラー検出やデータ信号の変換などの機能を持ちます。 通常コンピュータに内蔵されています

DTE → DCE→ 電気通信事業者(キャリア)の通信網 → DCE → DTE


アナログとデジタル伝送
「アナログ伝送」連続的なアナログ信号を伝送する。
「デジタル伝送」離散的なデジタル信号を伝送する。
多重化
1本の回線で複数のデータをまとめて伝送すること。アナログは「周波数多重(FDM)」、デジタルは「時分割多重(TDM)」があります。FDMは異なる周波数で複数の波形をまとめて送ることを言い、TDMは時間ごとに区切って複数の情報を同時に送ることです。
変調・復調
モデムが行い、「デジタル→アナログ」を「変調」、「アナログ→デジタル」を「復調」と言います。変調速度は、1秒間に行う変調速度で「ボー(baud)」として表します。
伝送モード

単方向モード」伝送方向が1方向のみです。
半二重モード」両方向は可能だが、同時にはできない。
全二重モード」両方向を同時に可能。(例 電話)

ここで、「単方向モード」「半二重モード」の場合は、「2線式」が必要で、「全二重モード」の場合は「2線式の多重化」か「4線式」を使用します。
7. 同期制御
同期制御とは、通信を行う際、送受信のタイミングをとることを「同期」と言います。以下の3種類があります。
調歩同期
(無手順で使用)
1文字ことに同期をとり、先頭に「スタートビット」末尾に「ストップビット」を付与する。
通信時間=(1文字の大きさ+スタートビット+ストップビット)×文字数÷伝送速度×利用率
キャラクタ同期
(SYN同期)

(ベーシック手順で使用)
データを文字の集まりである「ブロック」単位に伝送して、先頭に「SYN符号」をつけて同期をとる。
フレーム同期
(HDLC手順で使用)
データの前後に同期用のフラグシーケンス(ビットパターン=0111 1110)を付けて同期をとる。 送信がない場合でも、「フラグシーケンス」を常に送信して同期をとり、任意のビット長のデータ伝送に使用されます。別名、「フラグ同期」とも言います。
8. 誤り制御
誤り制御とは、通信回線を伝わっている最中に外界からのノイズなどで、データに誤り「エラー」が発生してしまう場合があります。そこで受信側では、受け取ったデータに誤りがないか検査し、もし、誤りがあれば、「再送」してもらうようにします。これを誤り制御といいます。検査方法には「パリティ」「CRC」の2種類があります。
● 偶数パリティ・奇数パリティ
データ中の2進数の「1」の個数が偶数または奇数になるようにパリティビットを付加します。それぞれ「偶数パリティ」「奇数パリティ」と言います。「ビットの個数で誤りの有無を検出できます」。
例えば、(7A)16の先頭に偶数パリティを付加すると、
(7A)16=(0111 1010)2となります。ここで1の個数は5個(偶数個でない)なので、先頭にパリティピットを付加します。よって、(1111 1010)2=(FA)16となります。ここでもし仮に「1」の個数が偶数個の場合は、パリティピットは付加する必要はありません
※奇数パリティも同様で、「1」の個数が奇数でない場合のみパリティピットを付加して、奇数の場合は付加しません。
● パリティには、垂直・水平という分類もある
垂直パリティ
1文字ごとにパリティビットを付加する。
水平パリティ
ある文字数分を1ブロックとして各位置のビットに対して得たパリティビットから1文字分のデータである「BCC」作成する。
水平垂直パリティ
1ビットの誤りを検出・訂正して、2ビットの誤りを検出することが可能。
● CRC(巡回冗長検査)
巡回符号と呼ばれる符合を用いてデータの誤り検出を行います。この方法では、「バースト誤り(データが連続的に誤っている)」でも検出できます。通常は、ビット列を多項式と見なして、「生成多項式」とよばれる定数で割った余りを求めます。
9. 伝送制御
伝送制御とは、2者の間で確実にデータ伝送を行えるようにそまぞまな要因を監視・調整することを言います。伝送の手順は以下の通りです。
データ伝送回線の接続」「データリンク確立」「データ伝送」「データリンク開放」「データ伝送回線切断」。
これらの制御内容を1つのプロコル体系として定義したものを「伝送制御手順」と言います。これには以下の3種類があります。
● 無手順
主だった取決めなしでデータを「タレ流す」方式です。パソコン通信などで使用されています。
● ベーシック手順(基本型データ伝送手順)
この方式では、2種類あります。
ポーリング/セレクティング方式
制御局が伝送を仕切り、他を従属局と言います。制御局が順番に従属局に伝送要求を確認して(ポーリング)、伝送要求がある従属局は肯定(ACK)の応答を返します。これにより制御局はセレクティングしてデータ伝送を開始します。
コンテンション方式
上記とは逆で、すべて対等な立場で行います。伝送要求が発生した場合は、ACKを出し、成功した場合は、主局となり相手は従局となります。早い者勝ちです。
※ベーシック手順では「キャラクタ同期」で「水平垂直パリティ」を使用しています。
● HDLC手順(ハイレベルデータリンク制御手順)
HDLC手順は、フレーム単位で伝送してその構成は以下の通りです。
フラグシーケンス
同期確立用。01111110からなります。
アドレスフィールド
コマンドを受信すべき局のアドレス。またはレスポンスを送信した局のアドレスで8ビット。
制御フィールド
フレームの種類や制御情報。8ビット。
情報フィールド
任意のビット長の送信データ。
FCS
誤り制御情報。
この方式では以下の2種類があります。
不平衛型
1次局が2次局を制御する(ポーリング/セレクティングに相当)
平衛型
各複合局が対等の立場で制御(コンテンション方式に相当)
※HDLC手順では「フレーム同期」で「CRC符号」を使用しています。
10. ネットワークアーキテクチャ
コンピュータネットワークは、当初は、各メーカーが「独自にプロトコル」を作成していました。しかし、これだと、メーカー間の通信はできません。そこで、通信プロトコルの標準化が考えられました。この標準化されたプロトコルが「OSI基本参照モデル」です。各メーカーは、これにのっとってプロトコルを開発することにより、相互通信が可能となります。
標準化のメリット
・異なるメーカ間のインターフェイスを採用することがてきる。
・機種に依存することなくシステム開発や保守が容易。
・システム変更を最小限に押さえられる。

OSI基本参照モデル
下記の通り、7つの層「レイヤ」から構成され、レイヤ間は独立したものとなっています。
上位層 第7層 アプリケーション層 各アプリケーションで提供されるサービスをどのように実現するかを規定する。
第6層 プレゼンテーション層 データ構文の変換(抽象構文から転送構文へ変換)
第5層 セッション層 対話的通信の実現。半二重、全二重方式や同期の取り方を規定する。
下位層 第4層 トランスポート層 上位層へ透過的に通信サービスを提供。エラー制御など通信品質が十分でない時に、それを補完する役割を果たす。
第3層 ネットワーク層 経路選択のルーティング機能やデータの中継機能を提供。
第2層 データリンク層 隣接するシステム間のデータ伝送を提供する。伝送制御手順やLANアクセス制御など。
第1層 物理層 ビット列を送受信するための電気/機械的特性。同軸ケーブルなどの通信媒体や、インタフェイスの形状など、使用する機器の物理的状態を規定します。
※上記のように階層化することにより、プロトコルの独立性が高く、下位層の内容を知らなくても問題がないということになります。 また、OSI基本参照モデルを実際のものとして、実装したのが「TCP/IPモデル」です。
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