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入出力装置(コンピュータシステム)
学習のポイント
入力装置の種類、出力装置の種類、入出力インターフェース、入出力制御方式について理解しまょう。
1. 入力装置 |
入力装置 |
特徴 |
キーボード |
キーを押すことで入力する装置。 |
ポインティングデバイス |
ディスプレイ上の位置情報を入力する装置。種類が豊富。 |
マウス |
GUIの操作用として利用されています。 |
光学式マウス |
通常のマウスは「ボール」を使用しますが、これは、「光学式センサ」で移動を感知するものです。 |
トラックボール |
上部に露出したボールを直接動かすことでポインタを移動させる装置。ノートパソコンでは、トラックボール、トラックポインタ、スライドパットなどが利用されています。 |
ジョイスティック |
ゲームソフトの操作用として利用されている装置。 |
タッチパネル |
ディスプレイ装置の画面に指で触れることで位置情報を入力する装置。銀行のATMなどが代表的な例です。 |
ライトペン |
ディスプレイ装置上を専用のペンで指示することで位置情報を入力する装置。 |
スタイラス |
携帯用のコンピュータで利用されているもので、圧力や静電気を感知するペン上の入力装置。 |
ディジタイザ |
平面バネル上の図面をペンやカーソルでなぞることで座標を入力する装置。CADシステムでの利用が多い。また、小型のものを「タブレット」と呼んでいます。 |
イメージスキャナ |
紙面上の図形や写真を点の集合である「ドットイメージ」に分解してドットごとの反射光の強弱で読み取る装置。読取り精度は、dpi(1インチあたりのジット数)で表現されます。 |
OCR |
「光学文字読取装置」とも言います。紙などに書かれた文字の形を読み込み、文字コードとして認識する装置。 |
OMR |
「光学式マーク読取装置」とも言います。マークシートの黒く塗りつぶしたマークを読取り、データを入力する装置。 |
バーコードリーダ |
POSシステムでよく利用され。太さの異なる白線と黒線の集まりで情報をコード化したバーコードを読み取る装置。規格としては、JISの「JAN」が代表的です。 |
磁気カード読取装置 |
磁気カードに記録された情報を読み取る装置。代表的なものに「クレジットカード」「キャシュカード」「テレホンカード」「プリペイドカード」などがあります。セキュリティが弱い。 |
ICカード |
半導体素子を埋め込んだカード。上記のセキュリティの弱さを解決しています。記憶容量も多い。 |
磁気インク文字読取装置 |
「MICR」とも言います。磁気を帯びたインクで印刷されている文字を磁気ヘッドで読み取る装置。 |
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2. 出力装置 |
●ディスプレイ
CRT |
ブラウン管を使用。電子銃から出された電子ビームがスクリーン内側の蛍光面に当たって発光することで画面に表示させます。カラーでは、「RGB」で3本の電子ビームが放射されます。電子ビームは「走査」と言って、画面の水平ラインを左から右に進み、右端に来ると下のラインに移ることを言います。走査の方式には以下の2種類があります。
「ノンインターレース」1本ずつ順番に走査する方式。
「インターレース」1本おきに奇数と偶数ラインを交互に走査する方式。
※インターレースの方が安価ですが、画面がちらつきやすくなります。
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液晶 |
液晶を使用。電圧をかけると分子が一方向に整列して光の反射率や透過率が変化する液晶の性質を利用した表示装置です(単純マトリック方式)。以下のように液晶の画素を制御する方式で2種類あります。
「STN」縦横を交差する走査線と信号線の交点で画素を制御する方式。コストは安いが表示にムラがあります。改良版として「DSTN」があり、これは、画面上下を2分割して走査線の密度を倍にしたものです。
「TFT」 1つの画素に1つのスイッチング素子を設けて制御する方式(アクティブマトリックス方式)。コストは高いが、反応速度、コンストラクト、視野角が広い等の特徴があります。 |
PDP |
テレビに使われているブラウン管(CRT)に代わる次世代の表示デバイスです。
原理は蛍光燈と同じで、他の方式に比べコントラストが高く、視野角が広い。高い電圧が必要なのでノートパソコンなどには向かないが、大型化が容易なことから壁掛けテレビなどへの応用が今後は期待されている。 |
有機EL |
電圧をかけると発光する物質を利用したディスプレイ。発光体にジアミン類などの有機物を使う。低電力で高い輝度が得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れており、液晶ディスプレイのように薄型にすることができる。携帯端末の表示装置などへの応用が今後は期待されている。 |
●VRAM
ディスプレイ装置に表示されている内容を記憶するメモリを言います。
256色の場合は、1ドット当たり28=256の容量が必要となります。
過去問題 平成28年秋期 午前問12
表示解像度が1000×800ドットで,色数が65,536色(216色)の画像を表示するのに最低限必要なビデオメモリ容量は何Mバイトか。ここで,1Mバイト=1,000kバイト,1kバイト=1,000バイトとする。
(解説)
1,000×800=800,000(画素)
65,536色を表現するには216色のため、16ビット=2バイトが必要です。
よって
800,000画素×2バイト=1,600,000バイト=1.6Mバイト
●プリンタ
プリンタの種類は以下の通りです。
1. 印字方式での分類
ノンインバクトプリンタ |
機械的に衝撃を与えずに印刷するプリンタのこと。 |
インバクトプリンタ |
機械的衝撃をインクリボンの上から与えて印字する方式(サーマル、インクジェット、レーザ等)
※サーマル方式:感熱紙を自己発色させる「ダイレクトサーマルタイプ」と、インクリボンを使用する「熱転写タイプ」の2種類があります。 |
2. 印字単位での分類
シリアルプリンタ |
1文字単位で印刷する |
ラインプリンタ |
1行単位で印刷する |
ページプリンタ |
ページ単位で印刷する |
3. 印字色数での分類
モノクロプリンタ |
黒インクで印刷する |
カラープリンタ |
色の3原色(CYMK)の4色で印刷する |
上記の分類を踏まえて以下のような種類となります。
印字方式 |
名称 |
印字単位 |
特徴 |
インパクトプリンタ |
ドットインパクトプリンタ |
シリアル |
ワイヤー状のピンでインクリボンを叩いて転写する |
ノンインパクトプリンタ |
ラインプリンタ |
ライン |
1行ごとに活字にインクリボンを叩いて転写する |
インクジェットプリンタ |
シリアル |
ノズルからインクを吹き付けて印刷する |
熱転写式プリンタ |
熱でインクリボンのインクを溶かして転写する |
感熱式プリンタ |
熱で変色する専用の感熱紙を利用する |
昇華型プリンタ |
ページ |
熱で気化させたインクを蒸着させて印刷する |
レーザプリンタ |
トナーを転写して定着させる |
プロッタ |
XYプロッタ |
ペンまたは用紙をXY方向に制御して印刷する |
●プリンタの性能
「性能」1インチに打てるドット数(dpi)
「速度」1秒間に印字できる文字数(cps)、1分間に印刷できる枚数(ppm)があります。 |
3. 入出力インターフェース |
データの転送方式により以下の2種類があります。
●シリアルインタフェイス
1本の伝送路で1ビットずつ直列に伝送する方式。
●パラレルインタフェイス
処理単位(8ビットや16ビットなど)の数だけ伝送路を持ち並列に転送する方式。
以下の種類があります。
シリアルインタフェイス
種類 |
特徴 |
RS-232C |
モデムを接続するインターフェイスで、「EIA」によって規格化されています。転送速度は、56kbpsが主流。 |
USB |
インテル社、IBM社、米マスクロソフト社が策定した規格で、キーボート、マウス、プリンタ等の周辺機器全般のインターフェイス。ロースピードは、1.5Mbps、フルスピードは、12Mbps、ハイスピードは、480Mbps、スーパスピードは、5Gbpsとあります。「ホットプラグ」と言って、コンピュータの電源を切らなくても装置を抜き差しできます。また、「USBハブ」を使用することにより、最大6階層127台まで接続出来ます。 |
IEEE1394 |
米アップル社の「FireWrite」という規格をもとに標準化されました。転送速度は、100mbps
200Mbps 400Mbpsがあります。ホットフラグに対応。デイジーチェーンやツリー接続により最大63台の接続が可能です。 |
パラレルインタフェイス
セントロニクス |
プリンタ用に開発されたパラレルインタフェイスです。転送速度は最大150kバイト/秒。 |
IEEE1284 |
セントロニクス互換としても動作するプリンタ専用のパラレルインタフェイスです。スキャナでの使用も可能です。接続モードが5種類あり、最大転送速度は8Mバイト/秒で、7台のデイジーチェーン接続が可能。 |
SCSI |
周辺機器用のインタフェイス「SASI」の改良版です。初期の規格は、SCSI-1でしたが、その後、SCSI-2
SCSI-3となり、現在の主流は、SCSI-3です。20M 40M 80Mバイト/秒の規格があります。接続台数も最大15台となっています。(SCSI-1では8台で最終装置にターミネータが必要。5Mバイト/秒)。 |
GP-IB |
マイクロコンピュータと計測機器を接続するための規格。現在では計測機器だけでなく、周辺機器の接続も可能です。最大15台まで接続可能で、データ転送速度は、1kbps~1Mbpsです。 |
IDE |
ANSIにより規格化され、2台までのハードディスクの接続が可能。 |
EIDE |
IDEを拡張し、CDドライブを含めた、4台まで接続可能。転送速度も高速化。 |
SATA |
ATAをシリアル化。転送速度は、SATA1で1.5Gbps。ホットフラグに対応。 |
無線の入出力インタフェイス
種類 |
特徴 |
IrDA |
赤外線を使用した無線通信のインターフェイスです。ノートパソコンなどではほとんどが標準装備しています。 |
Bluetooth |
電波を使用して、2mから10mの範囲での通信が可能。伝送速度もIrDAより高速で、ゲームのコントローラやヘッドホンなどの接続に使用されています。
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4. 入出力制御方式 |
●入出力制御方式とは、「入出力装置」と、「CPU・主記憶装置」との間でのデータ転送を制御する方式のことを言います。以下の3種類があります。
入出力チャネル方式 |
「チャネル」とは、コンピューターの仕事を中断することなく、同時にコンピューターに入力・出力するデータの流れを制御するものです。一般的に「入出力専用制御装置」と言います。
「チャネルプログラム」とは、チャネルへ渡す命令群からなるソフトウェアです。
●CPUはチャネルに対して、入出力の実行命令からなるチャネルプログラムだけを発行して、制御をチャネルに引き渡します。
●CPUは、上記により、入出力完了の割込みがあるまで入出力動作から解法されます。
●チャネルは、チャネルプログラムを解読・実行して、入出力制御装置に動作を指示して、主記憶と入出力制御装置でデータ転送を行います。
※上記の処理により、CPUと入出力装置の完全な並列動作が実現されて、これにより、入出力動作中のCPUの空き時間を利用した「マルチプログラミング」が可能となります。 |
DMA方式 |
CPUと入出力装置に置かれた「DMA(ダイレクトメモリアクセス)」が、CPUに代わって入出力装置の動作を制御します。これにより、CPUと入出力装置の並列動作が可能となります。 |
直接制御方式 |
CPUが入出力装置の動作を直接制御するものです。これは、マルチプログラコングには向きません。この理由は、入出力要求が発生するたびにプロセッサがレジスタを介して主記憶と入出力装置の間でデータ転送をすめためです。 |
●入出力チャネルの種類
セレクタチャネル |
「バーストモードによるデータ転送」で1つのに入出力装置によりデータ転送の開始から完了までチャネルが占有されてしまうが、大量のデータを高速に転送できます(プロック単位での転送)。磁気ディスク・磁気テープの入出力制御方式です。 |
マルチプレクサチャネル |
●「バイトマルチプレクサチャネル」
複数の低速の入出力装置(プリンタなど)を微小時間ごとに切り替えながらデータ転送を行います。(バイト単位でのデータ転送)
●「プロックマルチプレクサチャネル」
複数の高速系の入出力装置(磁気ディスクなど)を微小時間ごとに切り替えながらデータ転送を行います(プロック単位でのデータ転送) |
※その他
「プログラム制御方式」とは、プロセッサのレジスタを経由して、主記憶装置と入出力装置の間でデータ転送を行う方式である。 |
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