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補助記憶装置(コンピュータシステム)

学習のポイント

磁気ディスクの構造・容量計算・アクセス速度計算、磁気テープ、光ディスクの種類、記憶素子の階層化を理解しましょう。

1. 磁気ディスク装置の構造
「磁気ディスク装置」は「ハードディスク装置」とも言い、磁気ヘッドとディスク面が離れている浮動ヘッド方式」です。円盤状の円周の記憶領域は「トラック」という単位に分割されています。トラックは、複数の「セクタ」から構成されています。複数枚の円盤は筒の多重構造してとらえられます。この時のトラックの集合を「シリンダ」と言います。
ブロック化因数
ファイルを磁気ディスクに書き込む際、複数のレコードを1まとめにしてブロックとして構成します。この際、「1ブロックに含まれるレコード数」を「ブロック化因数」と言います。
バリアブル方式とセクタ方式
バリアブル方式」は「データ転送を可変長のブロック単位で行います」。1トラックに複数のブロックを記憶でき、ブロック間には「IBG(ブロック間ギャップ)」があります。
セクタ方式」は、1トラックを複数のセクタに分割して1ブロックを1個ないし複数のセクタにまたがって記憶します。1個のセクタに複数のブロックは記憶できません。
2. 磁気ディスク装置の記憶容量

記憶容量の公式
●1トラックの記憶容量×1シリンダのトラック数×シリンダ数
●1セクタの記憶容量×1トラックのセクタ数×1シリンダのトラック数×シリンダ数

レコード数の公式
(1)1ブロックのバイト数
  1レコードのバイト数×ブロック化因数+IBGのバイト数
(2)1トラックに保存できるバイト数
  1トラックのバイト数÷(1)
(3)1トラックに保存できるレコード数
  (2)×ブロック化因数
(4)1シリンダに保存できるレコード数
  1シリンダ当たりのトラック数×(3)
(5)必要なシリンダ数
  レコード件数÷(4)

3. 磁気ディスク装置のアクセス速度

アクセス時間=平均位置決め時間+平均回転待ち時間+データ転送時間

(1) 平均位置決め時間
シーク時間」とも言います。磁気ヘッドを目的のトラックまで移動する時間。
(2) 平均回転待ち時間
サーチ時間」とも言います。トラックで該当のデータの先頭までの時間。通常は1分間当たりの回転数から求めます(rpm)。
(3) データ転送時間
データを転送する時間。

(1)1回転時間
  1分÷1分間当たりの回転数
(2)平均回転待ち時間
  平均位置決め時間÷2
(3)データ転送速度
  1トラックの記憶容量÷(1)
(4)データ転送時間
  データ容量÷(3)
(5)アクセス時間
  平均位置決め時間+(2)+(4)


過去問題 平成27年春期 問12
回転数が 4,200 回/分で,平均位置決め時間が5ミリ秒の磁気ディスク装置がある。 この磁気ディスク装置の平均待ち時間は約何ミリ秒か。 ここで,平均待ち時間は,平均位置決め時間と平均回転待ち時間の合計である。
ア 7        イ 10        ウ 12        エ 14
解説
平均待ち時間=平均位置決め時間 + 平均回転待ち時間
平均回転待ち時間は、ディスクが1回転に要する時間の1/2です。
よって
60,000ミリ秒÷4200回転÷2=約7ミリ秒
平均待ち時間=5ミリ秒+7ミリ秒= 12ミリ秒
となり、正解は、ウです。
過去問題 平成22年春期 問17
あるオンラインリアルタイムシステムでは,20 件/秒の頻度でトランザクションが発生する。 このトランザクションは CPU 処理と4回の磁気ディスク入出力処理を経て終了する。 磁気ディスク装置の入出力処理時間は 40 ミリ秒/回であり,CPU 処理時間は十分に短いものとする。 それぞれの磁気ディスク装置が均等にアクセスされるとしたとき, このトランザクション処理には最低何台の磁気ディスク装置が必要か。
ア 3        イ 4        ウ 5        エ 6
解説
このトランザクションによる入出力時間は、1回あたり40ミリ秒です。
よって、
磁気ディスク装置1台が1秒の間に処理できる入出力処理回数は、
(1秒×1,000)ミリ秒 ÷ 40ミリ秒 = 25回/秒
次に、20 件/秒の頻度でトランザクションで、4回の磁気ディスク入出力処理があるため
20件/秒×4回 = 80回/秒
1秒間に80回の入出力処理となります。
よって
80回÷25回 = 3.2となり
小数点以下は切り上げて、最低4台の磁気ディスク装置が必要。正解は、イです。
4. 磁気テープ装置
磁気テープは、1プロック記録するのに「IBG」を含める必要があります。IGBはブロックを識別するためのものです。1ブロックには複数のレコードが記録されます。
●ブロック長の計算
(1) ブロック化因数×レコード長
(2) (1)÷記録密度
(3) (2)+IBG (mm./ブロック)
●一巻に記録できるレコード数
(1) テープの長さ÷1ブロックの長さ(上記の(3))
(2) (1)×ブロック化因数 (レコード数)
●1プロックの読み込み時間
(1) レコード長×ブロッック化因数
(2) (1)÷データ転送速度
(3) (2)+起動時間 ※IBGの中間でテープは一旦停止します。  
5. 光ディスク装置
CD-ROM
読み出し方式には以下の2種類があります。
(1)CLV方式
トラックに対する読み出しヘッドの相対速度を一定にする。従って、ディスクの回転速度は一定ではありません。
(2)CAV方式
磁気ディスク装置と同様に回転数を一定にする。最近はこちらが主流。
●CDの分類
種類 記憶方式 特徴
CD-ROM - 読み出し専用
CD-R ディスク・アットワンス ディスク全体で1度だけ書き込み可能
マルチセッション 未使用領域に追記が可能
パケットライティング パケット単位の追記で、仮想的な削除も可能
CD-RW - 書き換え可能

DVD装置
CD-ROMと同様に標準サイズは12センチで4.7GB~17GBと大容量です。DVDはディスクを2枚張り合わせた構造のため、「片面」「両面」「1層」「2層」の4種類が存在します。
片面 両面
1層式 4.7GB 9.4GB
2層式 9.4GB 17GB
種類としては以下の通りです。
種類 特徴
DVD-ROM 読み出し専用
DVD-R 追記型
DVD-RAM 書き換え可能型
DVD-RW 書き換え可能型

●Blu-ray DISK
種類 特徴
BD-ROM 読み出し専用
BD-R 追記型
BD-RE 書き換え可能型
※容量は、25GBか50GBとなります。
●MO
「MO」は「光磁気ディスク」とも言います。読み書きが自由に行え、3.5インチと5インチのサイズがあり、現在では、3.5インチが主流です。記憶容量は、「128MB」「230MB」「640MB」「1.3GB」などがあり、主流は640MBです。
6. 記憶階層
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